薬になる肉などその他の食材の薬効|鶏卵は滋養強壮に効果がある「陽性食品」

鶏卵は「精が付く」食べ物として、昔から重宝されてきました。昔は、病気見舞いというと、もみ殻入りの箱に鶏卵を詰めて持って行くことが多かったのも、鶏卵は滋養強壮食品と考えられていたからです。『本朝食鑑』にも、鶏卵は「心を鎮め、癇(引きつけ)を止め……小児の疳痢(かんり、神経症による下痢)……にも宜しい」とあります。

言うまでもなく卵は卵白と卵黄からできていて、特に卵白のプロテインスコア(タンパク価。100が上限で、数値が大きい程栄養価が高い)は100で、いかに優秀なアミノ酸からなるタンパク質かが分かります。蛋白質の「蛋」は「卵」と同じ意味で、「蛋白」とはすなわち「卵白」のことを言います。ちなみに、牛乳、豚肉、豆腐のプロテインスコアは、それぞれ85、84、67です。

卵白のタンパク質は、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド、オボグロブリンG1などよりなりますが、オボグロブリンG1は、細菌の細胞膜を破壊して抗菌作用を発揮し、卵への細菌の侵入を阻止する働きがあります。ペニシリンの発見者・フレミングが、この物質をリゾチームと命名しました。卵を割って外に出しても、案外腐りにくいのは、このリゾチームのためです。オボムコイドは食欲を抑制し、肥満防止に役立つという研究報告もあります。

一方、卵黄の成分は、約15%がタンパク質で、約30%が脂質です。脂質のうち6割が中性脂肪で3割がリン脂質、残りがコレステロールです。リン脂質は、脳細胞や神経細胞の構成部分で、知能や記憶力の向上、老化の改善にとって不可欠な物質です。

リン脂質の一つであるレシチンは脂肪を乳化するので、マヨネーズ作りの時には役立ちますが、体に吸収されると、血液中のコレステロールを減少させる作用を発揮します。

鶏卵1個(約50g)には、コレステロールが約300mg含まれていて、高コレステロール食品なので、これまでは、高脂血症、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の人は忌避すべき食品とされてきました。しかし最近はこうした疾患に対しても卵の摂取は大して悪影響がないとする研究も散見されるようになってきました。

つまり、レシチンの抗脂血作用に加えて、卵黄の「脂」が高脂血を促す飽和脂肪酸(肉やバターの脂)約37%、逆に血中脂肪を減少させる作用のある不飽和脂肪酸(魚油や植物油)約63%から成っているので、高脂血症などに悪影響を及ぼさないというのです。

運動をしない人が、毎日、鶏卵1個を食べると、1日に約6mg/dLの血中コレステロール(正常値は、130~220mg/dL)の増加が見られましたが、運動を十分にする人は、いくら卵を食べても血中コレステロールは増加しないという研究もあります。したがって、一般的に卵を悪役にする必要はなさそうです。まして、1日1~2個の摂取なら問題ありません。

卵の中には、タンパク質、脂肪の他、ビタミンB1、B2、Aなどのビタミンや、カルシウム、リンなどのミネラルをはじめ、「セックス・ミネラル」として有名な亜鉛が、生姜と同様多量に含まれてることも、卵の滋養強壮作用を生み出しているのでしょう。

卵は体を温める陽性食品です。日本酒1合を鍋で煮立て、その中に鶏卵1個を割ってよくかき混ぜたものが「卵酒」ですが、陽性食品である卵と体を温める日本酒に熱を加えて「超陽性食品」にした卵酒が英語で「cold(冷え)」と言われる風邪に効くのは、陰陽論からすると実に理に適っていることなのです。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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